花の命は・・・貴方の手入れ次第ですよ いけばなの基本は手入れから

水揚げ

水揚げをしないと、花や葉に水分や養分がまわらず枯れてしまいます。花を美しく楽しむには水揚げが大切です。

  • 水切りする *** 最も一般的な方法は、枝や茎の根元を水の中に入れて、水中で斜めに2〜3cm切り落水切りのコツとす方法です。この場合、空気中で切ると切り口に空気の層が出来て水の吸い上げが悪くなりますので留意してください。
  • 深水につける *** 水揚げのし難い植物には、水切り後たっぷりの水に深くつけておくと良いでしょう。また植物が弱ってきた場合は、全体を湿った紙に包んでおくのが良いでしょう。
  • 薬品を使う *** 花によっては薬品をつけると水揚げの効果があがるのがあります。花種によりアルコールやミョウバンなどを使いわけしますが、「鮮度保持剤」の市販品があります。
  • さかさまにする *** 葉の多い植物や葉の大きい植物には、植物をさかさまにして葉の裏に水を与える方法があります。この場合、花が水にぬれないように紙で包むかします。
  • 下葉を落とす *** 不要な葉はなるべく取り除いていけますと葉からの水の蒸発が少なくなります。

手入れ

  • 花器の水量 *** 一般に花器の水は多いほど良いでしょう。ただし、水揚げが良すぎてすぐに咲いてしまう花や下のほうに葉がついているものの場合は水を少なめにします。また茎がやわらかい場合は水を少なくし、こまめに切り戻しをします。
  • 水替え *** 始終新鮮な水に取り替える事が大切です。また水替えのとき花器の内側も良く洗い、茎がヌルヌルしていたら切り戻すか、茎を洗います。なお、市販の「鮮度保持剤」を使っている場合は毎日の水替えは必要ありません。
  • 切り戻し *** 水揚げをしても時間とともに導管が詰まってきますので、適時切り戻しをします。すなわち、水替えのとき根元を少し切り、詰まった部分を取り除きます。
  • 咲き終わった花を摘む *** しぼんだ花は摘み取りますと、蕾(つぼみ)が咲きやすくなります。

まず、いけばなの基本技術をマスターしよう

「嵯峨御流いけばな」より


切り方

はさみは正しく持つこと

枝を正しく、さっと切るためには、はさみの持ち方が正しくなければなりません。
柄の一方は親指でしっかり持ち、他方は人さし指以下の四本の指で支え、刃の開きを調節します。

はさみの正しい持ち方 切り終わった状態です
正しい持ち方 切り終わったところ

枝は斜めに切ること

 枝を切るときには、どんな場合でも斜めに切ります。そのとき太い枝以外は、はさみはまっすぐにして、枝を好みの角度にして切ります。
 なお、はさみは刃先を使わず、刃の中ほどを使って、ぐっといちどきに力を入れると、よく切れますし、はさみの傷みも少なくてすみます。

太い枝を切る練習

太い枝もこのように切ります

 太い枝を切るときにも、はさみで切る練習をします。
 左手は枝の根元を持ち、適当な長さのところに斜めにはさみを入れます。
それからてこを押す要領で、ぐつと急激に力を加えます。左手は、はさみを助けるように、根元を上方にねじ上げます。

一度で切れなければ、二度、三度と同じ動作を繰り返します。


ため方 

花の姿をつくり上げるとき、自然の枝ぶりのままでは、花材の持つ美しさを十分にあらわせない場合が多いものです。そこで枝に力を加えて曲げたり伸ばしたりする「ためる」技術が必要になってきます。自然の枝葉に少し手を加えて、自然な感じに美しさを引き出してやることは欠かせないことです。
しかしながら、ためることは花材にとっては痛めつけられることであり、急激に力を加えて折ってしまっては、とり返しのつかないことになります。花材の持っている自然の性質にさからって無理にためようとせず、少しずつ力を入れていくことがたいせつです。
 花材の種類によって、次のような技法を使い分けます。

両手だめ
両手だめ
最もポピュラーなため方です。
図のように両手をつけて枝を握り、右手の親指で下から、左手の親指で上から押すようにしてじわじわと力を加えていきます。
手と手の間を離さないこと。
特に節の部分は折れやすいものですから、節の部分でためることは避けなければなりません。

折りだめ

これは細い枝をためるときの技法です。
枝の表皮の部分に、はさみの先でわずかに切れ目を入れ、両手の親指をぴったりとつけて切り込みの裏にあてがい、指先でつぶすような感じに、静かに折ります。これを繰り返して好みの曲がりをつけるのです。
表皮に切り込みを入れるのは、ためが戻らないためのくふうで、柳のように弾力性に富む、ための戻りやすい杖には、ことに必要なことです。

切りだめ

太い枝に適したため方です。
曲げたいと思うところに、枝の太さの1/3くらいの深さに、斜めに切り込みを入れます。
切り込んだ口の裏側に両手の親指の腹をつけ、残りの指はそろえて枝を握ります。そして力をかげんしながら、少しずつ折り曲げます。切り込みを人れた部分の皮と皮とが互いにかみ合って、ためは戻りません。
切り込みは、あまりはげしい傷をつけると折れてしまいます。くれぐれも深くなりすぎないように。

くさびだめ
くさびだめ
これは、太い木ものや特に折れやすい木をためるときの方法です。
はさみかのこぎりで2/3ほど切り込みを入れ、反対側から静かに切れ目を開かせて、図のように櫛形に切ったくさびをはめます。
くさびは、入れたあとがありありと見えるのは見苦しいもの。入れようとする木と同じ質の木からとり、のこぎりで正しく切って、きっちりとはまるようにします。
曲がりの大小は、くさびの幅の広さでかげんするのです。
 くさびだめは、一度曲げてしまうとやり直しのきかないものですから、枝の向きには十分に注意をしましょう。

押しだめ

たいへんに太い木ものを曲げようとするときのため方です。
枝にのこぎりかはさみで斜めに切れ目を入れ、切れ目の裏側にひざを押し当てます。そして一方の手で上方を、もう一方の手で下方を握り、ぐいと力を入れて曲げます。

片手だめ
かたてだめ
草ものややわらかい木ものに、またいけ上げてから形をととのえるのに用いるため方です。
片手の親指を伸ばして花材を握り、そろえた四本の指で握りしめるように力を加えて曲がりをつけます。
あまり強く力を入れすぎぬよう、少しずつ繰り返して行うことがたいせつです。

しごきだめ
しごきだめ
かきつばたや水仙、はなしょうぶのような葉ものをためる場合の方法です。
図のように、葉の上下を持ち、葉面を親指で下から上へ、または上から下へと軽くしごいてやります。力を入れすぎたり、つめを立てたりして葉を傷めてはいけません。

草ものの細い茎をためるとき

ばらや菊のようなものは部分的にためを加えると、茎や菜を傷めたり、水揚げが悪くなったりしますので、全体になだらかな曲がりをつける程度にします。
左手で根元のほうを持ち、右手で花のほうを持って、軽く曲げる動作を何度か繰り返すのです。このとき葉をつぶしてしまったりすることのないように注意します。


いけばなを習いたい方に

嵯峨御流は、嵯峨天皇を御始祖と仰ぎ、京都嵯峨野大覚寺に生まれ育った花道です。

私の教室では、嵯峨御流を教えています。習い事は月2,3回です。
所在は大阪地下鉄中央線深江橋駅近辺です。

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